天気予報のためか10名の参加となったが、殆どが初登城の方々で「ぜひとも来たかった所」など期待度の高い声にガイドの気持ちも高ぶる。今回は追手道、望笙峠など主要なポイントを経て片桐且元生誕地の須賀谷集落へ下るルートで、一部急峻な道もあるためあまり利用されていないコースであることも今回のハイライトである。さてその望笙峠では思わぬ出会いにためらった。ここに織田信長実母の土田(どた)御前を顕彰する会の一行がおられ、いわば宿敵との出会いに複雑な思いを禁じ得なかったが、お市様の城でその娘の淀殿の生誕地でもあることに思いを馳せ気を取り直して、金吾丸、番所址へと進む。虎御前山を見下ろすスポットでは迫りくる織田方の軍勢の圧力を感じ、続いて石垣跡や土塁などの城内の各所の堅い守りを偲ばせる造りや繰り広げられたドラマなどを解説しながら通過する。中丸で昼食を済ませ、京極丸から山王丸虎口へ至り激戦を偲ぶ。ここからが須賀谷に下るコースとなり、一部に設置されたロープにつかまるなど足元に十分注意を払いながら進むと絶景ポイントの岩場に到着し、その眺めを堪能する。そこから須賀谷の集落に降りる。ここは古くからの温泉場としても知られる隠れ里の雰囲気がある小集落だが、片桐家にまつわる史跡や神社を護持、顕彰されているのです。ここでの話題は、且元が秀吉亡き後の豊臣家存続に努力するも、逆に淀殿に疑われ両者は離反することになる歴史の展開です。参加者の半数の方は茶々たちも浸かったかもしれないこの温泉目当てでもあり、ここで別れた残りの一行は河毛駅を目指し予定通り帰着、解散となりました。