前回7月に続き今回も30名を超える参加者で賑わった。このコースは新疋田駅を起点に近江塩津駅までの深坂古道を踏破し、紫式部の越前国府下向とは反対方向の都への帰路道を追体験するものです。敦賀市疋田地区は古代の愛発(あらち)の関が置かれた所と伝わり、江戸時代には川船を利用した運河が造られ、今は復元されたその流れを観察できます。また戦国時代には朝倉方の出城「疋壇城」があり、ここは最終的には信長により壊滅されたのですが、まずこの城跡を訪ね苔むした石垣、土塁や多数の巨石を見て激戦を偲びました。一旦駅に戻りここで昼食とし、ここから深坂古道へ向かう。途中にあるのが紫式部と万葉歌人笠金村の歌碑。紫式部の歌碑には、輿をかつぐ男たちが山道に愚痴をこぼしたことから世渡りの難しさに重ねて諭したものと解説されています。さらに山道を進み深坂峠を越えると「堀止め地蔵」とも称される深坂地蔵堂に至る。ここは平清盛の命により敦賀と琵琶湖を結ぶ運河の掘削が計画されたものの、大岩に突き当たり工事を断念したことに由来すると伝わります。また「塩かけ地蔵」とも言われ旅人が塩をかけて道中の安全を祈ったとも。境内は地元の人々によりきれいに整備された霊地です。問屋跡などの街道の名残りを見て、古道を抜け立ち寄るのが元峠茶屋の西村家。ここの庭園は江戸時代初期からの歴史があり、現ご当主により園内を案内していただくご厚意に預かり、歴史街道を満喫した一行はここから路線バスで近江塩津駅へ向かいました。