長かった猛暑も過ぎて涼しい秋晴の朝を迎えたこの日、25名の参加で木ノ本駅を出発。 行市山への登山口は毛受兄弟の墓所「毛受の森」です。ここは地元集落の墓地でもあり、旧余呉町のシンボル木のトチノキが植樹され、足元には落ち葉とトチの実がいっぱいの中、登山の行程、毛受兄弟物語りの概略などを解説して入山。登山道は大体緩やかな稜線で、中谷山砦跡、別所山砦跡などを見学して進むと、設置されたロープにつかまりながらの急坂の難所が1か所あります。ここを注意深く登りきると最初のビューポイントに。伊吹山、小谷山を遠望し、その手前には田上山、堂木山など秀吉方の砦跡を見て戦場に想いを馳せる。やがて佐久間盛政砦跡で郭、堀切などを確認し行市山山頂に至ると再び戦場一帯を見下ろす景観に歓声が上がる。ここで昼食、記念写真を済ませ、下山はうって変わって足取りも余裕をもって進む。途中の立ち寄り所は林谷山砦跡。ここが毛受兄弟達が立てこもって秀吉方の猛攻撃を食い止め、勝家脱出の時間を稼いだ身代わり大作戦の激戦地で、兄弟の忠臣振りにいたく感動した秀吉が手厚く葬らせた墓所は元はここにあり、その後毛受一族を家臣に迎えたと伝わります。柴田方砦群は主戦場が余呉湖畔へ移ったこともあって守備隊の伝承などに不明な点が多いものの、最近は戦国ファンの注目度も高まり、どうしても来たかったという神戸や東京からの参加者もあって帰路のバスは満足感一杯で木ノ本駅に帰着しました。